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分析機器に関して

九州・山口地区機器・分析センターネットワークの各大学が管理する分析機器は多種多様ですが、用途別に大きく分類すると次のようになります。
装置を選択する際の参考としてください。
表面観察装置群 物質の表面状態を観察する装置であり、走査電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡、レーザー顕微鏡台等がある。特に走査電子顕微鏡はあらゆる分野の研究に必要不可欠な装置である。
◆走査電子顕微鏡(SEM)は、真空中で細く絞った電子線で試料表面を走査し、試料表面から発生する各種信号を検出して画面上に試料表面の拡大像を表示する装置であり、物質表面の微細構造観察が可能である。元素分析装置が付属しているSEMでは、観察と同時に組成分析も可能である。近年、低真空観察技術が進み、導電性のない試料もそのまま観察が可能である。
◆走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、試料と探針(プローブ)間に流れる電流や、原理間力を検出して高分解能で3次元形状の測定を行うことができる。また、表面形状の観察と同時に探針先端と試料表面の相互作用により、種々の物性を測定できるモード(摩擦力、表面電位、磁気力等)を搭載している装置もある。
◆レーザー顕微鏡は、レーザー共焦点光学系(コンフォーカル光学系)を採用した顕微鏡であり、大気中で試料表面の形状や3次元情報を取得できる。
表面解析装置群 ◆X線光電子分光分析装置(XPS): 物質に単色X線を照射し、X線により励起・放出される光電子のエネルギーを分光分析する装置であり、金属、絶縁物、有機物等の固体表面の元素分析が可能である。試料表面の化学結合状態の除法を取得できる。深さ方向分析やイメージング測定にも対応している。
◆オージェ電子分光分析装置: 試料表面に電子線を照射したときに発生するオージェ電子のエネルギーを分光し、元素分析を行うものであり、リチウム以上の元素の組成分析に対応している。
構造解析装置群 物質の構造解析に使用される装置で、得られる情報、試料の種類・状態により使い分けられる。
◆光分析装置: 紫外・可視分光光度計、フーリエ変換赤外分光光度計、顕微FTIR、ラマン分光光度計、顕微レーザーラマン分光装置、円二色性分散計など。
◆電磁気分析装置: X線回折装置、単結晶X線構造解析装置、各種質量分析装置、超伝導核磁気共鳴装置、電子スピン共鳴装置、透過電子顕微鏡等
元素分析装置群 物質を構成する元素情報を得る装置で、試料の状態や、用途により選択することができる。
◆非破壊分析: エネルギー分散型蛍光X線分析装置、X線分析顕微鏡等 
◆サンプルを溶液化できる場合: 誘導結合プラズマ質量分析装置、誘導結合プラズマ発光分析装置、原子吸光分析装置など。検量線溶液を準備することで定量分析が可能である。
◆電子線マイクロアナライザ(EPMA): 物質の局所領域における元素分析装置であり、組成情報や元素分布がわかる元素イメージングが可能であるが、真空下で分析を行うので、導電性のない試料は導電処理が必要である。
物性測定装置群 試料の各種物性を測定する装置である。
◆熱分析装置:示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)、示差走査熱分析装置(DSC)、光交流法比熱測定装置、カロリメータ等
◆薄膜計測装置、粒径測定装置等
走査電子顕微鏡用
前処理装置群
走査電子顕微鏡に供する試料の前処理に利用する。導電性がないサンプルの高分解能観察には試料に導電性を付与する必要があり、そのためには、白金コーティングやカーボンコーティング、オスミウムコーティングが有用である。試料表面をフラットにしたり、清浄にするには、アルゴンイオンビームでスパッタリングするイオンミリング装置、試料の断面作成にはフラットミリング装置が使用される。