第116回分析基礎セミナーを開催します。【九州大学】
2017.08.17
セミナー・講習会情報
九州大学中央分析センターでは平成19年より毎年定期的(年8回程度)に分析基礎セミナーを開催しています。これは機器分析の原理・基礎知識を習得してより効果的に分析機器を使用していただくことを目的とするものです。今年度のセミナーは、基本に立ち返り、原理をよく理解してより良いデータを取得し、正しい解釈ができることを目指します。今回は、構造解析に有用な分光分析について基礎から実用まで幅広く知識が得られる内容です。案内ポスターはこちら。学外の方はこちらの参加申込書をご利用ください。
◆第116回 分析基礎セミナー「原理から学ぶ機器分析【8】 MS」◆
【日時】 2017/9/22(金) 13:00-17:00
【場所】 九州大学伊都キャンパス・工学部第3講義室(西講義棟3F)
【主催】 九州大学中央分析センター
【共催】 九州大学ナノテクノロジープラットフォーム
【協力】 日本電子株式会社
【内容】
13:00-13:10  質量分析を学ぶ前に
 質量分析の概念を知り、本日のセミナーの内容の位置付けについて解説します。
13:10-15:00  GC-MSの基礎および各種ガス分析、材料分析における最新の応用
 質量分析を有効に利用する上で必要な原理、および得られた質量スペクトルの解析について理解を深めることを目的とします。弊社QMSの特徴である大容量真空システムを生かした水試料の直接分析、パックドカラムを用いたガス分析、更にTG-MSなど各種先端技術を紹介します。
15:10-16:10 MALDI-TOFMSの基礎と超高分解能MALDI-TOFMS SpiralTOFのご紹介            
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化法 (Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization; MALDI) は、その端緒から専らタンパク質・合成ポリマーなどの高分子を分析する手段と考えられがちですが、実際には遥かに広い分野への応用の可能性を持っています。本講では、MALDIの原点とも言えるタンパク質・ペプチドの分析から、合成高分子分析への応用、さらには最新のSpiralイオン光学系を採用した超高分解能MALDI-TOF-TOFタンデムMSで可能となった、低分子 (MW < 100) から高分子 (MW > 9,000) までの精密質量測定、脂質・天然物などの構造解析、高質量分解能イメージングなどの最新アプリケーションを紹介します。
16:10-17:00  アンビエントイオン化法DARTの原理と応用  
 世界最初のアンビエントイオン化法DART (Direct Analysis in Real Time) は、2003年に日本電子(株)の米国法人JEOL USA, Inc. の質量分析応用研究室で発明されました。気体・液体(溶液)・固体・物質表面に付着した有機物など、様々な状態・形態の試料を前処理無しで直接分析することが可能であり、有機合成化学のサポート、法科学・科学捜査、医薬品分析など極めて広い分野で使われています。本講では、これらに加えて材料分析、その場誘導体化を用いた生体分子分析などの最新アプリケーションを紹介します。