第113回分析基礎セミナー開催します。【九州大学】
2017.06.19
セミナー・講習会情報
九州大学中央分析センターでは平成19年より毎年定期的(年8回程度)に分析基礎セミナーを開催しています。これは機器分析の原理・基礎知識を習得してより効果的に分析機器を使用していただくことを目的とするものです。今年度のセミナーは、基本に立ち返り、原理をよく理解してより良いデータを取得し、正しい解釈ができることを目指します。今回は、構造解析に有用な分光分析について基礎から実用まで幅広く知識が得られる内容です。案内ポスターはこちら。学外の方はこちらの参加申込書をご利用ください。
◆第113回 分析基礎セミナー「原理から学ぶ機器分析【5】 無機元素分析」◆
【日時】 2017/6/22(木) 13:00-17:00
【場所】 九州大学伊都キャンパス・工学部第4講義室(西講義棟3F)
【主催】 九州大学中央分析センター
【共催】 九州大学ナノテクノロジープラットフォーム
【協力】 株式会社島津製作所、アジレント・テクノロジー株式会社
【内容】
13:00~15:00  原子吸光/ICP発光分析の基礎と使い方
 AA/ICP-AESは元素分析の中核を担う手法として、広く普及している。分析装置の進歩と相まって、
誰にでも、迅速かつ容易に測定結果が得られるようになってきた。しかしながら、分析法の常として、様々
な干渉(妨害)も存在しており、これに気付かないまま、誤った結果が報告されている例も散見される。
今回は、精確度の高い測定を行うために、分析法の基礎、干渉の確認と解決法などの使用上の注意
点について、解説する。
 15:10-16:00  精度管理における標準試薬および認証標準物質の上手な使い方と試料前処理
  原子吸光、ICP発光分析、ICP質量分析における標準試薬の使いこなしについて、標準試薬の種
類と使い方から、精度管理における認証標準物質等を利用した試料前処理方法のポイントについて解
説する。さらに、酸分解方法について、開放系分解、密閉系分解の特徴と使い分けについて解説する。
  
16:00-17:00  ICP-MSの原理および分析における注意点
 ICP-MSは微量金属元素をpptオーダーで分析できる装置である。当初は超純水や水道水のような
マトリクスの比較的少ないサンプルのみしか分析することができなかった。コリジョンリアクションセルの登場に
よって分析できるアプリケーション範囲が大きく変化し、妨害物質(多原子イオン干渉)が除去できるよ
うになり、また高マトリクス導入キットによって海水レベルの直接分析が可能になった。本講演では、
ICP-MSの基礎原理、ICP-MSの歴史を大きく変えたコリジョンリアクションセルの原理、
ICP-MS分析における注意点を解説する。